「病は”背”から」の対処がおススメ
こんにちは。兵庫県西宮市の鍼灸院【鍼灸みやび堂】の西川です。
- どこが痛いというわけじゃないのに何だか調子が悪くてだるいな
- よく眠れなくて目覚めても疲れが取れないし
- 手足が冷えたりしびれたり
- 頭が痛かったりめまいがしたり
- そういえば食欲が落ちたしお通じも……
- おかしいなと思って検査してもらったけれど原因がみつからなかった
- 「自律神経の乱れ」と言われてお薬を飲みはじめたけれど、ずっとお薬に頼り続けるのはちょっと気になる
こんな心配を抱えていませんか?
あきらかに体のどこかに異常があってそこさえケアすればいいとはっきりしていれば、ある意味で気が楽かもしれません。けれどストレスの多い現代社会では、よくわからないけれどスッキリしないという不調をたくさん抱えている方や「自律神経失調症」といわれて治療中の方もたくさんおられます。あなたはいかがでしょうか?
そもそも自律神経ってなに?
神経とは、体の中で信号を伝えるための、例えるなら電線のようなものです。「指よ動け!」思った頭からの信号を指先にビビッと伝えたり、逆に指先で「触った!」という感触をビビッと頭に伝えたりします。
また、意識して筋肉を動かすための神経や感じたものを脳に伝える神経の他に、自動で内臓などをいい感じに働かせて体調を元気に保とうとしている神経があります。
それが「自律神経」です。
この自律神経さん、自動で体の調子を整えてくれているので基本的にはお任せしていれば万事オッケーなのですが、ちょっとデリケートなところもあります。いろいろな刺激で気持ちがドキドキピリピリしすぎたり、寝不足で体や心がちゃんと休まってなかったり、暴飲暴食や運動不足でかたよった生活を続けていたりなど、心身にストレスがかかり過ぎていると、本来の自動調整がうまくできなくなってしまいます。
つまり、いわゆる「自律神経が乱れている」状態になって、なんだか調子が悪い…となってしまうんです。
自動運転な自律神経にはアクセルとブレーキがある
自律神経には二種類ある、ということも聞いたことがあるかもしれませんね。
一つは交感神経と言って、外からの刺激や脅威ーーいわゆるストレスに対して、立ち向かうまたは逃げるために体を頑張って動かすときに働く「アクセル」の神経です。もう一つは副交感神経と言って、体や心をリラックスさせて回復や休養をうながす時に働く「ブレーキ」の神経です。人間の体は両方の神経がバランスよく働いて、うまい具合に動いたり休んだりしています。
けれど、たくさんの情報があふれ仕事や人間関係のストレスがそこかしこにある現代社会では、頑張る方の神経ーー交感神経さんがピリピリと働きすぎていて、副交感神経さんの回復が追いつかない状態になって、いろんな不調を抱えてしまう方が増えています。
伝わる信号、伝わるコリ…
さて、ここで一つお伝えすることがあります。
体の中では、ある器官の状態は周りにも伝わっていくということです。一つの筋肉がガチガチになっていると周りの筋肉にも固さが伝わってコリが広がっていくように、ピリピリと働き過ぎている神経の興奮信号が隣り合った筋肉に伝わって力が入りすぎた筋肉がこってしまったり、逆に筋肉のコリが神経に伝わってピリピリと働かせすぎてしまったりします。
自律神経とつながっている神経が背中の筋肉へ
そこで本題です。
全身をめぐる自律神経、体のどこにあるかご存じですか?
筋肉を動かしたり感覚を頭に伝える神経と同じで、脳や背骨の中を通る脊髄から出て全身へと広がっています。特に「アクセル」の交感神経は、脊髄から出てきたあと背骨のそばにまとまりを作ってからあちこちの器官へと伸びていきます。
背骨のそばにはなにがあるでしょう。そう、背中の筋肉です。背中の筋肉を動かす神経が交感神経と並んで走っているんです。
ぴん!と来た方もおられるでしょう。
ストレスに対して頑張りすぎてしまった交感神経のピリピリ興奮は、並んで走っている神経で背中の筋肉にも伝わってカチカチ背中さんにしてしまうんです。
なんだか調子が悪いなと思っているあなたの背中、カチカチにこっていませんか?
逆に、カチカチ背中を解決するとどうなる?
さあここで良い知らせです。
頑張りすぎた交感神経の興奮が、背中の筋肉をカチカチにする。
では逆はどうでしょう。カチカチの背中の筋肉をゆるめてあげれば……?
そう。交感神経の興奮を静めてあげることができるんです!
頑張りすぎた「アクセル」を落ち着かせてあげれば、「ブレーキ」副交感神経の出番が増えて体をリラックスさせてあげることができます。そうすると両方の神経がバランスよく働いて、うまい具合に動いたり休んだりしています。体自身の本来の調整機能をちゃんと働かせてあげれば、あちこちで起こっていた不調がだんだんと治まっていくのです。
背中の筋肉を緩めるおすすめの方法は
背中の筋肉をゆるめてあげる方法はいろいろとあります。
ストレッチやヨガなど運動して伸ばしてあげるも良し。マッサージでほぐすも良し。お風呂や温泉で温めるも良し。ご自身に合った方法で背中をゆるめてあげましょう。
わたくし西川は鍼灸師ですので、自分がもっとも得意とする方法をお伝えします。
もちろん鍼灸治療です。
適切な長さや細さの鍼(はり)を使って、ケアを求めている筋肉に必要な分だけの刺激を与えることができます。そしてミクロの小さな傷をあえてつけることで、修復を仕事としている細胞たちに「君たちが治すべき場所はココだよ!」と目印を示してあげながら、体が元々持っている回復力を呼び起こしているのです。
まとめ 「病は”背”から」ケアしましょう
体の調子を自動でコントロールしてくれている自律神経。ストレスなどでこの神経の働きが乱れると、なんとなくスッキリしないという不調を抱えてしまいます。
自律神経は背中の筋肉を動かす神経とつながっていて、お互いに影響しあっています。自律神経の不調が背中の筋肉へ、逆に背中のコリが自律神経へと、悪影響もつながっています。
「なんとなくスッキリしない」は、背中のコリをしっかり緩めて対処しましょう。
また、規則正しい生活や自分に合ったストレス対処方法を見つけることも大切です。
これからますます寒くなる季節です。寒いと体が縮こまったり血の巡りも悪くなりやすいので、筋肉がカチカチになりやすいです。鍼灸治療をはじめとした積極的なメンテナンスを心がけましょう。